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実力をみがく努力を怠ってはならない

自分よりもあきらかに実力が劣ると思える翻訳者に仕事が集まることもあるし、翻訳の質があまりに低いので読む気にもならない翻訳書がベストセラーになることもある。これが現実なのであり、この現実を変えることはまずできないのだと覚悟しておくべきだ。そして、運が良い人はごく少数なのだから、翻訳業の看板をあげても、生活費をまかなえるようになるまでに、最低二年はかかることを覚悟しておくべきだ。フリーの翻訳者として活動するつもりなら、この二年間は無収入でも暮らしていける蓄えが必要になる。運に左右されるとはいっても、運をつかむためには実力の裏付けがなければならない。翻訳は個々人による実力の違いがきわめて大きいという特徴があるので、実力があれば、質をしっかりと評価できる発注者に認められる可能性が高くなる。また、翻訳は分野、目的などによって性格が違い、必要とされる能力も大きく違うものなので、たまたま得意とする分野で大量に仕事が発生すると、受注できる可能性が高くなる。だから、翻訳業の看板はかかげてみたが、受注がさっぱりない状況でも、実力をみがく努力を怠ってはならない。