商業統計によると、一九九〇年度以降の百貨店、スーパーなどの小売業態は軒並み、業績悪化の途をたどっている。百貨店離れは周知の事実であり、西武百貨店が業績回復を図るためと、消費者のライフスタイルに合わせた形で、閉店時間を午後八時まで延長したほどだ。当座のテストケースとしているが、これに追随する百貨店もでてきそうな雲行きにある。一方、酒類ディスカウントストア(DS)、生鮮DSをはじめとするいわゆるディスカウソターの売り上げの伸びは総じてよく、一九九四年一一月時点の日経流通新聞調査でも、DS業態ひとり勝ちとして、対前年一・三ポイントアップの九・八%増が報告されている。先般、日本初の大型パワーセンターというふれ込みでオープンした、上越ウイングマーケットセンターは、当初の予想をはるかに上回る集客力をみせつけ、コアで周辺二〇キロメートルの商圏設定にもかかわらず(生鮮食品一〇キロメートル、コンピューター・家具類は一〇〇キロメートルを想定)、土、日曜日には視察関係者も含め、遠く長野、富山ナくハーの車が集まってくるほど。いかにもアメリカ型の消費スタイル定着を印象づけた。ここには食肉・酒類DS大手のカウボーイがキーテナントとして入り、生鮮DSのほか、専門DS(カテゴリーキラー)が軒を連ね、早くも日本型パワーセンター時代の到来かと、関係者の熱い注目を集めている。さて、こうした小売業盛衰の傾向を景気低迷、不況という、現在の日本がおかれている状況に照らして考えるのは、非常にたやすいことである。しかしながらある面で、アメリカ型消費の典型としてこれをとらえておく必要もあるのではないか。つまり、ショッピングはいまや郊外型レジャーの中心であり、家族総出、車で郊外のショッピングセンターにでかけ、買い物と遊びを兼ねて楽しむ姿がみえてくる。百貨店華やかかりし頃は、都心部にある百貨店の地下駐車場に延々と車が列をなして並び、ようやく車を駐車場に入れた頃には、先に降りた家族がすでに買い物をすませてしまったという光景もみられたはずだ。この両者の形態を並べれば、いまの「クルマ」社会、どちらが集客の点で有利であるか、いうまでもないだろう。
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