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小学校受験よりもはるかに中学受験のほうがラク

学校の説明会での雰囲気、受験準備や費用すべてをひっくるめて、「小学校受験は貴族の受験、中学受験は庶民の受験」という感想をもった。子どもが受験勉強向きかどうかによるし、第一志望に合格したからこそ言えることだが、少なくとも娘の場合は、小学校受験よりもはるかに中学受験のほうがラクだった。そして子どもが合格したときの親の私の晴れがましい気持ち。周囲の羨望のまなざしがなんと心地よかったことか。まるで親の私が宇宙旅行の快挙を成し遂げたかのように、まわりの母親たちは称賛を送ってくれた。そのときわかった。子どもが有名校に合格した人たちが味わう快感は、まさに味わった者でなければわからない蜜の味なのだ。自分のことではないのに(自分のことではないからかもしれない)子どもの有名校合格は誇らしい。つねにシニカルな娘は狂喜する私を見て、「ママが合格したんじゃないのよ。はしやぎ回るのもいい加減にしたら」と冷たくクギをさした。それくらい私は舞い上がっていたと思う。自分も経験してみて、小学校受験で有名私立に子どもが合格した人たちの天にものぼる心地がやっと理解できた。だが娘の言うとおりだ。受験は子どもが子どものためにするものである。本来ならばあくまで子どもが主であり、親が従のはず。合格すれば子どもの力と運、不合格ならば親の責任と割り切れれば、世の中の受験にまつわる悲喜劇は消滅する。ところが小学校受験は「九五〜一〇〇パーセントが親の力」(塾関係者)。親が主で子どもが従になる。親の心境としては、本気で自分が受験会場に座りたいところであろう。またそれくらいの気持ちがなければ、子どもは合格しない。親の期待をぴりぴりと感じて、子どもも実力を発揮するからである。お受験は親子の力のかけ具合のバランスが本当にむずかしい。お受験を体験したたくさんのお母さんたち、そしてお父さんや子どもたちにも会った。だがついに私は「こういう親、こういう子どもであれば、必ず合格できるだろう」というカンが養われなかった。「この親、この子ならば受かって当然ね」という人よりも、「え?こんな子、こんな親でも落ちてしまうの!」とびっくりする人のほうがはるかに多かった。合格者のお母さんたちは、みな一様に「教育熱心」だ。子どもの教育に対して信念がある。
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