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美しい同僚女房の昼寝に注目

「宰相の君の部屋の戸口をのぞくと、昼寝をなさっている最中であった。萩や紫苑など、色とりどりの着物に、濃い紅のとくべつ光沢のあるものを上に着て、顔は衿の中に引っこめて、硯箱を枕に横になっている額のあたりが実に可憐で優美だ。絵に描いた物語の姫君のような感じがするので、口をおおった着物を引きのけて、『物語の姫君のようでいらっしゃるわね』と言うと、宰相の君は目をあけて『正気とは思えないわ、寝ている人を無情にも起こすなんて』と言って、少し起きあがった顔が、ほんのり赤みを帯びていらっしゃるのなど、きめこまかで魅力的でございました。ふだんでも美しい人が、折からまたいっそう美しさが増したというわけです」美しい同僚女房の昼寝に注目し、優美でエロティックな香りに満ちた描写をするとは、同性愛説もある紫式部の面目躍如であり、大作家の観察力を思わせるが。これは『枕草子』の一節に着想を得たものではないか。
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